シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

オリジナル盤とベスト盤

 懐メロを聴くために買うのは、そのほとんどが再販のベスト盤となる。これは仕方ない事で、そのかわりUHQCDのような画期的技術の恩恵を受けることで高音質に蘇ってくる。だが、それは一部のアーティストに限られる。
 普通はせいぜいデジタルリマスタリングされて再販されるくらい。しかし以前、園まりのディスクで、このデジタルリマスタリングが一概に良いとは言えないことを痛感した。これが稀有な例ならいいが、どうも似たケースが続出してきたのである。
 最近、石川ひとみの「まちぶせ」と、マルシアの「抱きしめて」のオリジナル盤CDを中古ショップで見つけて購入した。ベスト盤にはない隠れた良い曲は、こうでもしないと二度と日の目を見ないからだ。ここでもやはり、再販ベスト盤と被る曲の音質を比較したくなってくる。
 「まちぶせ」はベスト盤の方がデジタルリマスター処理されている。しかしその違いは意外と小さい。ベスト盤の方がボーカルがスッキリとしているのが分かる。これは好みで分かれるレベルだ。
マルシアの方は「抱きしめて」「振り向けばヨコハマ」の2曲が被っている。リマスタリングの表記は無いが、こりゃヒドイ!ベスト盤は硬く痩せた印象で、オリジナルのふくよかな厚みと柔らかさが無くなっている。アイドルがデビューした頃は健康的に可愛かったのが、大人になると過度に痩せて魅力を失うのと相関して面白い。「スッキリ」ではなく「ゲッソリ」だ。
 総じて、ベスト盤として再販するときは見かけの透明感が上がる替わりに、ノイズと共に柔らかな声の魅力まで削っている気がする。1980〜1990年頃のCDは音が硬いと言われるが、逆に思えてきた。