シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ローガン (ネタバレ)

 マーベル最新作を暇つぶしに観に行った。
 何故暇つぶしか?真夏の仕事がギッシリで、今から夏季休暇を止む無くとって、シネマイレージ・デイとなれば、何か観なきゃという気になるわけ。
 ヒュー・ジャックマンが演じる最後のウルバリンということで、結構前から予告があった。X-MENは老いた二人のみ、子役が重要な役目で出演、そしてR15指定・・この食材をお膳に置くならこうなるだろうという映画ファンの想像通りの展開だ。
 マーベル映画史上最も地味で、ある意味不相応に背伸びした作品である。まあ、この意外性は買ってもいい。こんなマーベル作品も増えれば、アメコミの認識も変わってくるだろう。
 コミック・ヒーローの晩秋という作風は良いと思う。しかし、展開のすべてが読めてしまうのがいけない。アルツハイマーのチャールズや、ボロボロになったウルバリンが哀愁を帯びていきなり登場となれば、この二人は本作で死ぬな・・と予感させる。この予感の時点で、最後の希望は子役の女の子となるのは必然である。
 ガチで人間ドラマを魅せたいようなので、突拍子もない展開は望めない。したがって、子役のダフネ・キーンちゃんの演技力がポイントとなる。その点は、彼女は素晴らしかった!この子は以後のオファーが殺到するだろう。キュートさとカリスマ性のオーラが同居した今が旬だ。
 晩年のミュータントを演じた二人も、その悲哀が見事に滲み出ていて良かったと思う。しかし、本シリーズは元々そんな結末を望むものではないはずだ。ミュータント・ヒーローという絵空事を題材にした世界観の前提を忘れているんじゃないか。ラストで死の寸前にささやかな人間の幸福を味わうウルバリン。最も感動を誘うべきシーンであろうが、涙を誘うまでには至らない。
 シリアスな感動は、シリアスな世界でしか生まれないのだ。

本作はどこの時系列に置かれるものなのか。それくらいはハッキリしてもらいたい。