カンスピの実力は素晴らしい。
昔、FOSTEXのユニットで自作スピーカーを作って遊んでいた。友人に自作マニアがいるので、よく意見交換したものだった。メーカーの用意したエンクロージャーなどは、とりあえず用意した箱で使う気になどならなかったものだ。
カンスピを見れば、薄っぺらなMDF材を接合しただけであり、ダクトに至っては丸抜きのダンボールだ。中古でペア2000円弱だったから買ってみる気になったのだ。そんな制限された材質と構造で、ユニットは鉄板プレスの安物フルレンジが付いているだけなのに良い音なのである。大変バランスが良い。
目下、FM放送とBGMに活躍中であるが、しっかり音が飛んでくるのに生活の邪魔にならない。ソフトフォーカスで聴きやすくしたものとは違って、クッキリしていながら耳障りが良いのだ。これは音抜けが良いからに他ならず、もはやSONYの偽平面スピーカーには戻れない。
フルレンジ党のオイラは様々なフルレンジを聴いてみたが、奇をてらわぬオーソドックスの良さを改めて痛感した。金を掛けて癖のあるオシャレな機器を買って、アレコレ考えるのは時間の無駄に思えてくる。
最近のTVはスペースファクターの関係で音が悪い。外付けで買ってこいと言わんばかりだ。昔はTVの音が悪いなどと言う人は居なかった。何時間聞いても疲れず、アナウンサーの声がシッカリ籠らないで聞こえるのが当然だったからだ。カンスピは良い音の原点を思い出させてくれる。
カンスピでFM放送を流している。すると、TVやデジタルアンプのスイッチが点いていると猛烈なノイズが乗るのが分かる。