先日、新年の挨拶がてらに入手したのはFOSTEXのP1000KユニットをP1000-E箱に入れた格安スピーカーで、通称「カンスピ」である。
カンスピは当初、楕円柱の硬いボール紙製だった。それがシリーズの存続と共に、まともな箱に入れるようになったようだ。遊び相手に欲しいと思っていたのである。
といっても、なんの飾り気もないバスレフ箱に10㎝フルレンジユニットを付けてあるだけ。まさに超シンプル、スピーカーの原点だ。以前使っていたレトロスピーカーはオシャレなデザインだったが、これはサランネットすらない。無駄は一切ないという潔さである。
比較するのはSONYのニセ平面スピーカーSRS-015だ。SRS-015は8㎝ユニット前面に平面スチロールを付け、変形バスレフダクトを持つ変わり者。無駄一杯のビジュアル派だ。
SRS-015で聴くボーカルは優しい。そこそこ低音感があって、刺激的な音はしないのでFM用とアイドル専用器としてきた。これを交換してみる。
こりゃまた段違い！何のリミッターも無くすっ飛んでくる爽快な音だ。バツグンの抜けと、バランスの良いカマボコ特性である。能率も高い。レトロスピーカーと似ているが、明らかに全てのファクターでこっちが優れている。この解放感は他とは代えがたい。昔のアイドルが生き返ってくる。オーディオは欠点を抑えるより、長所をより際立たせる方が満足を得られる。
SRS-015より多少疲れるが、楽しむとは疲れるものだ。
