シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

エクストラクション

2015年のB級アクション作品。B級とはいえ、出演者が興味深い。ケラン・ラッツ、ブルース・ウィリスジーナ・カラーノとくれば、アクション映画ファンは観ねばなるまい。
 しかしこれは83分という小品なので、全国展開を目的としていない。前から言っているが、こうした作品は内容勝負である。やもすれば、俳優の著名な経歴にキズを付けかねないからだ。
 分かりやすい展開、観やすい画に好感が持てる。この手の作品は暗いシーンが多く、分かりにくい画になりがちなのを、緑を強調した画作りでメリハリの効いた絵に仕上げており、ちょっと下品ではあるが観やすい。
 内容もCIA親子という設定は新味があり、クライマックスの展開は予想外で面白いと思う。ブルースの配役に疑問を持つ声がありそうだが、彼はこんな脇役も結構やっているので違和感はない。もう歳だから落としどころとして相応しい。
 主役のケラン・ラッツはエクスペンダブルズ3での記憶が新しいが、スターとしてのオーラが足りない。そしてジーナ・カラーノが問題である。
 どうも彼女の作品は無理に女子力を魅せようとしているキライがある。格闘技界ではたしかに美貌の部類であるが、映画という虚空の世界では動くギリシャ彫刻にしか見えない。いかに筋肉を隠そうが、あの首の太さはアクション女優レベルではありえないのだ。彼女はもっと割り切ったキャラで登場させるべきだろう。これはロンダ・ラウジーにも言えることだ。
 本作は、83分に仕上げるために多くのカットを強いられたであろうが、カットのしどころに失敗している気がする。戦い終えて、帰路に向かう車の中の会話は不要だろう。ここで脇の脇であるヒギンズのセリフがあるため、それまで彼を見過ごしてきたほとんどの視聴者は「この人、何者?」となってしまう。編集がヘタで損をしていると思う。