シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ヴィクター・フランケンシュタイン

 2015年の2大スター共演によるB級ホラーSF作品。
 2大スターとは、ジェームズ・マカヴォイダニエル・ラドクリフである。分かりにくければ、プロフェッサーXとハリーポッターが共演したと思えばよい。
 題名のとおり、本作はフランケンシュタインの話で、マカヴォイが狂気に駆られるフランケン博士、ラドクリフはその助手となるせむし男という興味深いコンビだ。
 観終わって、これはもったいないと感じた。何がと言えば、実は本作は日本劇場未公開作品であり、製作費もB級扱いの作品であって、ラストの締め方だけ一考してくれれば年末年始劇場公開してもいいほどの良作だからだ。
 フランケンシュタインの作品は数多く、その作風は二派に分かれる。古典文学のテーマを忠実に、神を恐れぬタブーとそこに至る狂気の人間模様を描くか、超人的な人造人間の良心と、相いれない世相との悲哀を描くかである。本作は前者であって、先の展開が読めるのに引き込まれる2人のスターによる演技がすばらしいのだ。 2人はヒーロー主役として強烈な印象を纏っている。これはある意味ハンデとなるのに、まったく異なる深く悲しい人間を見事に演じてくれた。
 そして、B級と言えど開発途上のロンドン風情が見事に出ているCGも見事で、テーマの深さを軽んじない音楽が実に良い。サントラが欲しいと思わせるほどだ。 ただ、個人的にはやはり最後はフランケン博士は死ぬべきだろうと思う。