シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

オートマタ

 ロボットを題材とした近未来SF作品一つで、紛れもないB級品である。
観終わって明らかにハリウッドの匂いではないと感じたが、スペインとブルガリアの合作らしい。主演がアントニオ・バンデラスというので興味を持ってしまった。
彼はこんな作品にでるタイプではないし、何より彼の主演作品は久々だ。脇役にロバート・フォスターが出演している。
 さて、主演のバンデラスはどうか・・頭を坊主にして頑張ってはいるが、演じている雰囲気はしがないブルース・ウィリスのようで、まったくバンデラスらしさが無い。シナリオに惚れて自ら積極的に乗り出したのなら、もっと味を出さねばならない。正直言って、彼と同行する娼婦型オートマタの方が存在感がある。観ていて、次に何かしでかしてくれるのではないかとの期待を持ってしまうのだ。
 この世界観はプロットが古い。アトムの頃の発想とアイザック・アシモフのロボット3原則をモチーフにしているようで、そこにブレードランナー猿の惑星の美術センスを引用しただけのように見える。
 金が無くてももっと魅力的な話に仕上げられたはずで、地味なクライマックスを、主人公の妻の出産とロボットの進化を絡めた深淵なラストに持って行けたはずだ。光るB級SFはそうしたところが違う。また、古いアイディアを持ってくるなら、終始レトロな美術センスを通す位の気概が欲しい。