2019年公開のカナダ製B級SF作品。人口の4%を占める超能力者を危険人物として迫害する社会で、金のためギャングに落ちぶれる主人公の葛藤を描く。
これは「X-MEN ファイナル.・デジション」の世界観の中で、末端のミュータントがどんな生活を強いられるかを、真面目なクライムアクションとしたものと言っていい。 SFといっても、大型ドローンやロボット警官ぐらいしかギミックはない。超能力者という架空アイテムを使いながら、これだけ真面目な話に仕上げた視点は新しく好ましい。したがって、X-MENのようなとんでもないパワーを持つ者はいない。あくまで警官の銃にはかなわないレベルで通しているので、異端者として市民から虐げられる現実感が気に入った。
主演のロビー・アメルは知らないが、共演者で従兄のスティーブン・アメルは「アロー」の主演をやっている。また、主人公を気遣う警官役でサン・カンが演じている。
本作は映画よりもTVシリーズに向いているかもしれない。実際、続編が進行中らしいが、この世界観の中でいくらでも面白い話は作れそうだ。予算的に地味になる欠点を逆手にとって、現実感のあるドラマで勝負すれば期待が持てるだろう。