シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ナショナル・トレジャー

 久々に地上波放映で再見した。若干延長してはいたが、それでもカットは多い。
 本作は宝探しの冒険映画として、新境地を開いたといっていい作品で、ニコラス・ケイジを最も有名にしたシリーズである。それまで宝探しといえば、秘境を冒険するのが普通だった。インディー・ジョーンズが王道であったのだ。それを大都会のど真ん中に持ってきたことが斬新で、宝のヒントが誰もが知っている著名観光名所にあるという発想が素晴らしい。よほどのリサーチが無ければ、嘘臭くなって視聴者の笑いものになってしまう危険もあったはず。そこを絶妙なアイディアと息をもつかせぬテンポで謎を解いていくのだ。このスピード感も大事で、マンガチックすれすれの線を突き進む娯楽の手本だと思う。
 ジェリー・ブラッカイマーがプロデュースしているので、A級アクション作品として安心して観ていられるし、敵役がオイラの好きなショーン・ビーンなのも贔屓したくなる点だ。本作の後にトレジャーハント映画が沢山作られたが、柳の下のドジョウばかり。ある意味、本作はレジェンドといっていいだろう。
 当然、ヒットの続編として「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」という続編が作られた。それはさらにスケールアップされ、エド・ハリスヘレン・ミレンとこれまた大好きな俳優を加えて、往年のハリウッド大作風に仕上がっている。しかし、この続編は祖先の汚名を晴らす目的で進行するため、宝探しに至る動機が分かりにくい。最後は目的がすり替わってしまっている。
 このシリーズ、パート3が取りざたされているけど、俳優陣が歳喰って持ち前のスピード感が失われる前にお願いしたい。