シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

るろうに剣心

 るろうに剣心の3部作が地上波連続放映ということで拝見。公開当時から話題は大きかったが映画館に足を運ぶことはなく、DVDがレンタルになっても食指は伸びなかった。
 この漫画は連載中にリアルタイムで読んでいた。それなりに面白く見ていた気がするが、残念ながら登場するキャラはまったく覚えていない。そこに映画版への興味が薄れた理由がある。このために、わざわざ漫画喫茶やネット喫茶で単行本を探して見る気が起きないのだ。実際、映画版を観てやっぱり漫画の記憶が無いと魅力は激減だと思った。
 漫画の映画化はとかく辛辣な評価が多い。それは小説ほどではなくとも、その2次元キャラに自分の思い込みがプラスされているので、その多くは「口元を隠した風俗紹介本で期待したら本人を見てガッカリする・・」パターンになるのだ。しかしこの3作品は其の辺の配役が実に上手く、絶賛されている。これは凄いことである。今回初めて、登場人物には実在のモデルがあることも知った。もちろん、史実とまったく異なる立ち役であるが、これはエンタメとして常套手段。幕末はいじり易いのだ。
 さて、ストーリーはどうか。それこそエンタメとして分かりやすく、アクションを主体にこの位が丁度いいバランスだ。笑いがもっとあってもいいが、主役の苦悩が主軸になっているのでそうもいかないか。それでも息を抜かせる所がもっとあってもいい。特に2〜3作の流れは休み時間が無いので、派手なアクションが逆に飽きを起こさせる。日本刀をサーベルのようにした早いアクションは新鮮であるが軽いからだ。それでも敵の怪演がクライマックスまで引っ張るのは拍手したい。惜しいのはラストである。
 敵を倒した満身創痍の侍に伊藤博文以下諸々が敬礼するシーンは、「ラストサムライ」のパクリにしか見えない。渡辺謙アカデミー賞候補になるほどの演技があったから、あのシーンに感動を生んだのだ。演出の手痛いミスである。