リビングステレオのSACDシリーズがいたく気に入ってしまい、さらに3枚入手した。こんなことなら、もっと一杯あったときに買っとけばよかった。
左上がヴァージル・フォックスのオルガン・アンコール。パイプオルガンの名盤、名録音とのことで期待した。しかし、さすがに最新録音のオルガン録音とは隔世の感がある。それよりも、カノンや威風堂々といったオルガン曲でないものを弾いているのが俗っぽくてガッカリする。
右上がミュンシュの「運命」と「田園」だ。このカップリングはすごい。昔、エイリアンとスタートレックを2本立て上映していたのを思い出す。演奏のテンポがちょうどオイラ好みで、カラヤンとショルティの中間くらいか。そしてなによりも響きが豊かこの上なく、オーケストラの細部を克明に描くというより、空間の溶け込みの美味ともいえる心地よさがたまらない。
中央下がライナーによるローマの松、ローマの噴水。にわかクラシック聴きのオイラ、この曲は初体験だ。これはいわゆるオーディオ泣かせの曲だ。ダイナミックレンジが実に広く、眠くなった頃に爆発的なフォルテで叩き起こされる。しかも、このディスクはすこぶる音質が良い。時代を考えると驚愕的だ。
こうして旧き良き時代の高音質クラシック名盤をSACDで体験すると、最新盤高音質ディスクとの違いが明らかになってくる。それは、両者供に広がりや奥行きは申しぶんない。さらに以外にも50年以上前の録音でありながら、SN感も優秀だ。ヒスノイズがホント気にならない。透明度は最新ディスクが上回るが、なによりも音が濃いのだ。この濃さにドップリ漬かった御仁は、今時の音に満足できないのも分かる気がする。