昨年公開の武侠映画。ブルースリーの師匠であるイップマンを扱った作品は多い。その中の一つといえばそれまでであるが、本作は単なるアクション作品ではなく、美しい映像と音楽でコーティングした芸術性が感じられる。ウォン・カーウァイ監督は、そもそもアクション作品を作る人ではないので納得である。
イップマンの伝記を追う中で、その時代の中国武術界の変遷を辿るストーリーゆえに、日本人には分かりにくい部分もある。中国人が外せない重要人物と当然視しても、無名であるため何のために出てきたのか分からない登場人物もあったりして、まとまりは今ひとつだ。本筋以外はバッサリ切り捨てて、チャンツィー演じるルオメイを中心に展開すれば良かったんではないか。
チャンツィーはもう少女ではない。可愛かった彼女は今では痺れるほどイイ女で、本作では押し殺した感情表現と凛としたアクション、美しい佇まいにオイラはもうメロメロである。\(//∇//)\ 数年前に彼女と握手したときからファンを超えた女神となっている。
主演のトニー・レオンはよく頑張っている。アクション俳優ではないのがむしろ功を奏して、演技の力が重厚なイップマン像を作り上げている。
これは背景を勉強してから再観したい作品だ。
その前にサントラのCDが欲しい。これは素晴らしい音で収録されている予感がする。
