シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

Supreme S C60 の変遷 その5

 昨年の秋、FAL Supreme S C60 の予告なきマイナーチェンジ品を聴いた。あれ以降は音沙汰なかったが、先日ちょっと聴いてみてくれと言われた。また何か変わったらしい。

 どうやら、またボイスコイルの変更を検討しているらしい。試作ユニットが送られてきて、音を評価してほしいとFALから頼まれたそうだ。これはオイラも聴いてみたい。

 実際耳タコCDで試聴してみると、ずいぶん違う。まず、高域の繊細な伸びが素晴らしい。とてもフルレンジ一発とは思えない。オールウェイズ1曲目冒頭のシンバルの再現で瞬時に分かった。ピアノも実に素直に聴こえる。しかしその分、厚みのあったボーカルが奥に薄く鎮座したようになってしまった。巷にある小型高級スピーカーにありそうなバランスだ。ワイドレンジ派には受けそうである。低域については安物レシーバーでは評価しようもなく、ラックスマンの管球アンプに切り替えてみた。すると、肥大した低音がギュっと収まり、密度も俄然アップして聴ける感じになったが、それでも中域以上の薄くサラサラした感じは変わらない。長年FALを売ってきた懇意の店員も同感である。また、かなりアンプの能力差に敏感になったようだ。Supreme S C60 は安物アンプでもそれなりに満足させたものだが、ここには貧乏ビギナーへの優しさはカケラも無い。ただ、むしろこの方向が正道なのかもしれない。

 帯域というゴムを引っ張れば伸びたゴムは細くなる。このスピーカーに限らず、機器の更新開発は皆同じような路線を進んでいる。まあ、今後どう調整していくのか楽しみだ。

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                      ※ FALホームページより