購入したのは2000年を迎える前だったと思う。始めてサブスピーカーというものを購入したのが本機だ。当時メインシステムすらまともに鳴っていないくせに、サブスピーカーとはおこがましいが、一端の趣味人になった気分にさせてくれたわけだ。
このKEF RDM-2を選んだ理由は、ほとんど衝動買いに近かった。展示品処分で半額だったし、デザインがすばらしい。特に大変深みのあるバイオリンレッド色の塗装が施された側板の美しさは、他に類を見ないものであった。したがって、まともに聴きもしないで自宅に迎え、サブのアンプであるアキュのE-305に繋がれることになった。
その音は小型とは思えない能率の高さで、抜群の抜けの良さを誇ったものだ。小型スピーカーで高能率なスカっと音が抜けてくるものはめったに見ない。ただしその代わり、重低音は全く出ない。バスレフダクトの大きさからして、明らかにチューニング周波数が高そうで、予想どおりの潔さである。見事に切り捨てているので、高級なサブウーハーと3Dを組めばメインシステムに昇格しただろう。
スピーカーターミナルがバナナプラグ対応になっているのに、WBTのバナナプラグが入らないというお粗末な一面もあった。KEFといえば、モニターも作っている世界的メーカーなのに、呆れて店員に愚痴をぶつけたほど怒れた記憶がある。
この美しいスピーカーとも付き合いはそれほど長くはなかった。理由は明快、メインシステムにスッタモンダしていた時期で、かまっていられなくなったのだ。本命のオナゴをなんとかしようと必死になっているときに、2号のオナゴには気持ちが向かなかったのである。