シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

星を継ぐもの

 以前、オイラは漫画を購入するのは、星野之宣氏と諸星大二郎氏の作品だけだとカキコした。
その星野氏の新作が単行本化された。ビッグコミック紙上で連載中の「星を継ぐもの」だ。
その前に連載していた宗像教授シリーズは人気が高かったが、オイラ的には地味すぎて敷居が高い。
 星野作品はジャンルが変われど共通した点としてリアリズムのバックボーンを持っている。宗像シリーズは過去に視点を置いたために、学者肌の人でないと夢を感じにくい気がする。ところが、本作は星野氏の本来の魅力というかハードSFに戻ってきた。実はこの作品は著名なSF文学作家のJ・P・ホーガンが原作を執筆しており、その漫画化である。このパターンはすでに「未来の二つの顔」でタッグを組んでいて、すばらしいハードSFの世界を披露してくれた。今でもハリウッドで映画化してほしい作品の筆頭である。
 ホーガンの世界感はリアリズムにあふれていて星野氏と波長ピッタリだ。幸い、この「星を継ぐもの」は原作を見ていないし、ビッグコミックの連載もあえて見ていないので、2巻目がでるのが今から楽しみだ。小さなキッカケから始まり、謎を呼ぶ展開から壮大な広がりを魅せて読者を引きつけてやまない。
 前回の「未来の2つの顔」は宇宙ステーションの凝縮した世界を舞台にしていたが、本作はスケールを無限に広げた感がある。おそらく今後はエンターティメント色が出てくる気がするが、嫌味にならない程度であれば歓迎だ。