シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

星野宣之

ニコニコ動画に2001夜物語の一編がアップされていて、久々に星野SFに接し、感慨を覚えたものだった。
星野宣之の漫画は、「はるかなる朝」で手塚賞を受賞して以来、ずっと注目してきた。発表作はほとんど目にしているはずだ。
彼の漫画は、卓越した画力とハード路線に振ったSFワールドに大変な魅力を感じる。歴史、民話、神話の解釈を基にした作品群には、あまり魅力を感じない。これは、諸星大二郎という双璧の漫画家がお家芸とするところで、星野タッチの画風には、やはり未来を舞台とした作品が似合う。特に短編のSFに秀逸な作品が多いと思う。かといって、そのSFアイディアに新味があるわけではない。なぜなら、すでに星新一ショートショートSFなどで目にしたアイディアが、結構散見されるからだ。すばらしいのは、主題になるのは親子の繋がりや、愛情、憎しみ等の人間の心に置いている作品が多く、感動を誘うのである。逆を言えば、SFの世界感とアクションに主題を置いたものが長編シリーズに多く、途中で打ち切ってしまっているものもある。本人も乗り気にならなくなったようだ。
最初に戻るが、ニコニコ動画で見た2001夜物語は、中でも名作と評価の高い作品がアップされていている。内容はアニメになっても漫画とまったく同じだ。ところが、アニメでは星野宣之の世界感が何故か小さく感じる。動画になってしまうと、視聴者は完全に受身となってしまい、想像力を広げられないのではないか。
オイラは星野宣之作品が、ハリウッドSFに対抗できる日本の切り札と思っていたけど、動画にするのは難しい側面もあるようだ。

とりあえず、大判になったものを適当に引っ張り出してみた。