シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ゲッタウェイ スーパースネーク

 2013年公開のB級カーアクション作品。もちろん、大昔のマックイーンによる名作「ゲッタウェイ」とは関係ない。

 本作の9割以上がカーチェイスという、実に割り切った作品である。そのため、どんな派手なカーアクションでも飽きが生じてくる。だから飽きさせないように色々な手を打っているのがわかる。ブルガリアという珍しいロケ地、実に細かいカット割り、無理やり加えた爆破シーン、そして長時間観賞に耐えられる俳優の起用などだ。いつもなら、半端を嫌った割り切りの良い作品を褒めるところだが、どうにも空回りしている。

 これはカーアクションを魅せるのが目的だから、他は粗探しするのは無粋だ・・とならないのである。中学生のとき劇場に観に行った「バニシングin60」を思い出すけど、あのリアリティやシャレが無い。あれだけのクラッシュをしても原型を保つシェルビーGT500がボンドカーに見えてしまう。その車の持ち主がPCオタクの小娘という設定も似合わない。また、イーサン・ホークやセレナ・ゴメスといった著名な俳優を使うことが、聴衆の関心をストーリーに向かわせてしまうので逆効果だ。スピード感を持ってシリアスな展開が進むので、どうしてもクライマックスに興味が湧いてくる。で、あのラストは間違えている。あれはコメディ・アクションの落ちだ。

 この監督はB級アクションやエンタメに手慣れているため、カーアクションに特化したことが失敗の元だと思う。こうした作品は監督も俳優も無名の粗削りであったほうがいい。


www.youtube.com