シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

バング&オルフセン(B&O)

 B&Oは1925年にデンマークで操業された老舗のオーディオブランドだ。

 その商品展開は、自社の考える高音質を追求する他の会社とは大きく異なり、音質の高度化と共に類のないハイセンスなデザインを融合するラグジュアリーオーディオの世界だ。ゆえに、多くのオーディオメーカーとは一線を引く孤高の存在である。ゼネラルオーディオの世界にもオシャレを狙ったミニコンポがあるが、それらとは使っている素材からして天と地ほどの差がある。現在でも商品展開しているが、著名な美術館に展示されるほどの地位を得た全盛期は2000年前後にあったように思える。

 その頃は隣町にもB&Oの特約店があり、オーディオ喫茶としてB&Oの音を聴かせていた。ハイファイとは違うが、細身のハイセンスな姿とは裏腹に厚みのあるホットな音に驚いた記憶がある。そんなB&Oのハイエンド中古品が懇意のショップに鎮座している。BeoLab5である。

 BeoLab5は半無指向性アクティブスピーカーとでも言えばいいのか、とにかくその造形センスは一度見れば絶対忘れない。事実、オイラも過去にチラっと誌面で写真を見ただけでハッキリ覚えている。で、その実物の存在感は他を圧倒するものがある。前オーナーは、レシーバーのBeoSound 3000とマッチングしていたようで、そのコンビは実にハイセンスなラグジュアリーだ。なんとそのオーナーはBeoSound 3000を予備でもう1台持っていたらしく、共に完動品のようだ。この先無い出物だろうから聴かせてもらった。

 これは大変素直で癖を感じない心地よい音だ。意外なのは音の実体感が結構あることで、オイラは無指向性スピーカーの広い音場は認めるが、幽霊のようにフワついた音像に否定的だった。このスピーカーは4ウェイで、ある程度指向性を制御しているため、実体感があるのだろう。その絶妙なバランスに感心する。だから本機をセットするのは広い空間の中央に置かず、壁側へ控えめに置かれるのが好ましい。その居住空間を想像すると、昔のSF映画のような近未来レトロ感が洒落ていると思う。

 そもそも他の商品とは同列に扱いにくく、店長はオークション向きだなと言っていた。たしかにこれは価格を付け難いだろうし、店頭では売れそうもない。

オーディオで重要なのはどんな音かでは無くて、その空間のどんな存在なのかだ・・と言っている気がする。