シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

懐かしのゴトウ総合音響

 NESPAの記事を書いていてゴトウ総合音響を懐かしく思いだした。

 オーディオに駆け出しだった頃、誌面でとてもインパクトのある広告を出している店があった。平成7年前後はそんな個性的なオーディオ店を行脚しており、その一つに名古屋のゴトウ総合音響があった。公共交通の便が悪い場所で、真冬に結構歩いた記憶がある。当時のお店は、まだオカルトチックなグッズに手を出す前の時代で、B&Wのスピーカーにローテルのアンプ、イソダのケーブル、モッドスクワッドのインシュレーターなどを推奨していた。

 音を聴きに来たというだけのオイラに、1時間以上付き合ってくれたのには平伏した。ベストの音を出すにはエアコンは禁忌だと止めてしまう熱意で、震えて試聴したものだった。その音は厚みのあるラグビーボール状の音場が記憶に残る。店主の手書きによる商品感想、想いが広告となっていて、今思えばこの店主は商売人の前に趣味人であったと思う。少なからず感化されて、しばらくB&Wのスピーカーを使うことになった。

 懇意の店長も知っていて、仙人のような人と評していた。とにかく自分が良いと思った商品を徹底して勧めるというスタイルで、後にオカルト系アクセサリーを中心に勧めるようになり、距離を置くことにしたのだった。

 ゴトウ総合音響に限らず、個性的な趣味人が個人営業する面白い会社は、時代と共に消えていく。FALやオーディオFASKもそうだ。ワンマン会社が残した珍品、銘品は風化しては勿体ないと思う。