シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

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 2022年公開のA級スパイ・アクション作品。

 世界の一流女エージェントが協力して世界の危機を救うエンタメである。世界を恐怖に落とし入れるPCデバイスを、悪の手に渡る前に奪取しようと各国のスパイによる争奪戦が始まる。前半の街中における静かな奪い合いが結構見所で、サイレンサー銃やカランビットナイフを隠し持っての鬼ゴッコがいい。結局、皆目的は同じなんだから協力しようということに。いきなり強く個性的な面々が結託して戦う話が多い中、この流れは気に入った。だが、その後がイマイチだなあ・

 主演のジェシカ・チャスティンを中心に、ダイアン・クルーガーペネロペ・クルスルピタ・ニョンゴ、ファン・ビン・ビンが集結。もう、だれが主役でもスピンオフが作れる豪華な布陣だ。A級予算は出演料に大掛かりなロケが要因であろう。つまり逆を言えば、金を喰う爆破CGのような派手な演出は無いのである。

 豪華メンバーが協力して戦う相手が、死んだと思っていた主人公の同僚で恋人。普通に観ていけば、だれでも予想するベタな展開だ。そして、クライマックスがビル内の銃撃戦アクションだけでは物足りない。極めつけは悪役となる元恋人は最後までワルなのだが、この脚本は実に不満だ。エージェントの家族を殺して脅迫するのは不快であり、憎悪と復讐の話になってしまう。しかし、最後は始末されるでもなく、生かしておいて続編を匂わす筋書きは幻滅である。

 本作をテスト試写した時点で、この脚本ではダメだと何故思わないのか。サイモン・キンバーグは娯楽作品ならお手の物であろうが。観客が望まぬ流れは分かるはずだ。


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