シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

トラポのセッティングを変えてみる その4

 トラポの足元をアイテック+fo.Qのダイレクト3点支持として2週間ほど様子を見た。当初はスムーズで軽い印象があったが、かなりエネルギッシュな出方に変化した。特に高域と中低域のパワフルな印象が強く、これは私的に好ましい。ただかなり音場が広い方向なので、精度という意味ではもう少し絞ってみたい。

 そこで、遊んでいる鉛インゴットを天板に置いてみようと思った。TL3-3.0の天板はかなり丈夫で、叩いてもコツっという音しかしない。これは開発段階でボディの強化を図ったのがよく分かる。ただし、中身はかなりスカスカであって重量バランスは偏っていると言っていい。まずはTGメタルの2.5㎏インゴットを左右に置いてみた。ちなみに、美観と鉛の毒性を考慮して黒い布を巻いている。

 一聴して音像の輪郭がハッキリしてクリアな見通しになったのが分かる。以前、ピラミッドコーン・スパイクで3点支持していた頃に近い音だ。音場はかなり縮小し、特に高さが出ていない。これは以前も書き込んだが、無駄な響きが抑制されると高さは控えめになるものであって、鉛の重しで押さえつけたようなネガティブなイメージに繋がりやすい。昔の記事で、寺島靖国御大と故・長岡鉄男氏が対談した中でそれに触れている。

 この音は悪い印象ではないが、今度はインゴットを1本にして背面端子の近くに横置きにしてみた。すると、まったく異なる出方をするのである。かなり低重心の音に変化して、音場が奥行方向への伸長が強く感じられる。上方に広がらないのは同様だ。これも面白いが、もし天板が変形するとスライドドアの開閉に支障が出る。

 外して元に戻すと、精度が下がってブワっと音場が広がるのがよく分かる。左右に置くのが良さげであるが重すぎる気もする。また、これはCECのトラポ特有の事情であるが、ディスク交換のときスタビライザーを置く場所に困ってしまう。

 手持ちの鉛インゴットでは不都合であっても、天板の補強は音質を変える手法として有効と分かった。それも明白な方向性のある変化だ。もう少し小振りで軽いものを探して試したいと思う。