シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

アンビュランス

 2022年公開のノンストップアクション作品。おそらくA級予算をぶっこんでいる。

 マイケルベイ監督の作品なので思いっきり弩派手だ。しかし、それだけではなく登場人物が皆個性的で、展開が早くてもすんなり人物像が頭に入ってくる。人間関係もしっかり捉えてあり、アクション映画のお手本と言っていいだろう。

 本作はジェイク・ギレンホールを代表にヤーヤ・アブドゥル、エイザ・ゴンザレスの3人が主役だ。このバランスが見事である。本来、ジェイクが主役として焦点を絞りそうだが、悪役なのでそうもいかない。この3人が話の大半を引っ張る。それもハイスピードの逃走救急車内でだ。

 主役の3人だけでなく、それを追跡する警察機構も演出が新鮮で、リアルを落とさないクオリティがいい。本作は序盤こそ紹介を兼ねたアイドリング時間であるが、銀行強盗が始まってからのスピード感が凄い。この卓越したカメラワークと短いコマ割りから目が離せなくなり、観客はコーヒーを口に運ぶ暇すら無くなるのだ。これが最後まで続くのだから、ジェットコースタームービーというより、直滑降ムービーである。

 本作は緊張感が途切れないので疲れそうであるが、実は結構笑えるシーンも多く、悪役のギレンホールもどこか憎めない滑稽さが有り、味付けが巧みだと感じた。最後まで落としどころが分からないので、ストーリーとしても上手い。アッと驚くどんでん返しがあるわけではないが、納得のラストであり十分満足感が味わえた。


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しかし、アメリカの救急隊は2人で出動とは・・大変だなあ。