シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

エジソンズ・ゲーム

 2017年製作の伝記映画。発明王エジソンにまつわる史実の一遍を映画化した作品。

 子供の頃、親が偉人の伝記漫画を買ってくれてエジソンという人物を知った。そこには聖人君子のような描き方で紹介されていたが、情報化社会になってこの男は一癖も二癖もある人物だったと知り、興味を持ったものだった。社会人になって、やはり一芸に秀でた御仁は癖の強い変わり者が多い事を実感している。

 本作で登場するエジソンは、天が与えたアイディアの噴水のような男である代わり、事業の才覚は無い。彼の発明を利用する人間を妬み、露骨な方法で仕返しをしたりする。家庭も顧みず、才覚のある社員を信用する度量もない。時代遅れの職人気質を超えて、わがままな子供のような人物に仕立てている。これでも監督の本意より自重させられたそうで、公開に至るまでかなりスッタモンダあったらしい。

 社会に灯を点す有名な電流対決が舞台であり、直流方式にこだわるエジソンが負けることは史実で分かっている。結末が分かっていても感動を呼ぶのが良い作品だ。本作でエジソンのライバルとなるのは、交流方式で事業展開を狙うジョージ・ウェスティングハウス。彼は、姑息な手段を使ってくるエジソンを暖かく見据えているのが面白い。また、有名なニコラ・テスラエジソンの関係が、このようなものだったとは初めて知った。

 当然、脚色はあろうが史実にかなり忠実らしく、悪人も登場せずに起伏のある物語にしたのは見事。オイラの土俵ではないが、楽しく観れた作品だ。


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