シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

Supreme S C40ES

 FALが久しぶりに新商品を発売した。

 これは従来からあるSupreme S C40のバージョン・アップの位置づけのようだが、その内容は全くの別物と言っていいものだった。前身はまさにチープな容貌で、C40ユニットにオマケで密閉箱が付いてきたと言っても過言ではない。それが豪華なエンクロージャーに収まり、ユニットのボイスコイルや内部配線も見直したようだ。

 まだ箱詰め状態から店員が出したのを見ると、二回りは大きくなって高級感抜群の突板仕上げになっている。密閉型であるのは変わらない。普通、この大きさのスピーカーはバスレフにして低域を稼ぐ。無理にでも低音の量感を持たせなければ売れないからだ。それは一般人が相手の話で、この大きさのフルレンジを20万円近い投資で手に入れようと思う人は、いわゆる「分かる人」達であり、下品な小細工はしないという決断だろう。

 olasonicのミニミニセットに繋いで「オールウェイズ」を聴く。すると、いきなり素直で癖のない高音質な調べに驚いた。まだ箱出しして一曲目である。なんでこれほどこなれた音がするのだ?FALは手作りなので、すでに慣らされているのだろうか。

 ユニットの振幅が半端ではない。かなり微小な音にも振動しているのが目に見える。ということは案の定、音量が上がるとバチバチと頭打ち現象が起きる。(試聴ディスクが過酷すぎたけど。)明らかに小音量再生に特化したスピーカーだ。それは前身のSupreme S C40も同じ、明らかに違うのは、バランスと質の良い低音が聴けることと、高域が実に美しく伸びていることだ。加えて指向性の広さも特筆ものである。

 五島みどりの「アンコール」でも、その素直なヴァイオリンの音色に感激だ。FALのフラット・ユニットの中で、最も高域が美しいといってもいいだろう。途中で偶然来店してみえたバズケロさんも試聴に加わって、感心すること然り。

 その後、オイラはアンプを変えて試聴し続けていると、次第に音の伸びと浸透力が俄然アップしてきたのに気付いた。このスピーカーの本領発揮はまだこれからのようだ。ラックスのSQ-N150に替えると、管球ならではの甘美な響きが加わって、さらに絶品な魅力の高域に変身した。こりゃ凄いわ。(∩_∩;)P

 万人向けの商品は全てのファクターで平均値を狙うためツマラナイものになりがちだ。FALのC40ESは、耐入力を捨てることで大変な魅力を得たと思う。

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