本年公開されたリーアム・ニーソン主演のB級アクション作品。
DVDのパッケージ情報のみで、即レンタルを決めた。「96時間」の再演かと思わせるPRに、もう期待するしかないだろう。あの作品は、娘を誘拐された元CIAのオヤジが容赦なく悪玉を蹴散らして救出するという、ストレートな爽快感があった。しかし本作では、息子を殺された復讐劇だと言う。これ、よくあるパターンにならないか・・
ならないのである。それも、まったく予想だにしない作風で面食らってしまった。復讐に燃えた主人公が、二人ほど悪人を倒したあたりから気がつく。これは・・コメディではないか?一見、マジでリアルなクライムアクションのようだが、悲壮感は無く、マヌケな悪人達とその生活描写が面白くてたまらない。主人公は組織に追われるのかと思いきや、勘違いで組織間の抗争に突入し、何故か悪玉の息子を助けて交流が芽生えたりもする。そんなちぐはぐな展開が実に自然に流れていくのが新鮮だ。
今回のニーソンは無敵オヤジではない。冬のデンバーで起きたローカルな抗争事件といった風情の中で、絶妙なブラック・ユーモアが展開される引き金といった役柄だ。
ハンス・ペテル・モランドという監督は職人肌の人間なんだろう。本作が、2014年に自身が作ったノルウェー作品のリメイクだと知って確信したものだ。自分の作品をリメイクするなんて趣味人のすることだ。通に評価されるのがよく分かる。