CDショップも少なくなった中、ローカルなCD&本屋のチェーン店で、なんと9割引きのコーナーがあった。
紛れもない新品であり、ワゴンに置かれた格安CDではない。こんな値付けは中古品でもゴミ処理コーナーでしか見かけない。どういう意図なのかさっぱり分からないが、消費者としてはオイシイことは大歓迎。早速めぼしいディスクを購入してきた。
まずはニキ・パロットのジャズボーカルを2枚。彼女はボーカリストでありながらベーシストでもある異色の存在だ。気にはなっていたが、定価で買おうと思うほどの存在ではなかった。それが9割引きなら文句はない。そもそも、ヴィーナス・レーベルの新品がこの価格で店頭にあることが不思議だ。ジャズ・ボーカルとしては爽やかな声で、ベースが近いのがいい。ベースの曳き語りなら、それも違和感が無いのだ。
そして、カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1、2の紙ジャケ仕様があったので即購入。ルディ・バンゲルダー(RVG)自らが24ビットにリマスタリングしたという噂のCDだ。
この音源は1955年のライブだが、その音質は素晴らしい。音圧を上げると迫力満点で、それなのに管楽器がウルサクならない。ピアノが登場するとセピア調に乾いた音色が時代を感じさせるが、実はRVGが確信犯でやっていることなのでそれも味だ。英語とジャズに堪能な御仁によれば、ライブとしては間違いだらけのMCぶりらしい。オイラはそんなの分からないので幸せである。