シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

オートグラフ対決!

 以前、懇意のショップにオートグラフの中古が出てきて試聴したのをアップした。(2012-06-10オートグラフ 参照)あの時は物珍しさで冷やかし半分の試聴であった。また、ユニットはモニターレッドで間違いないが、箱はオリジナルではなく英国で当時作られたものらしい。あれから買い手が付かず、試聴室に鎮座している。
 さて、隣町のショップにオートグラフの正真正銘オリジナルが入荷した。ユニットはモニターゴールドで、外観のコンディションは素晴らしい。聞けば30年ほど使っていなかったという。大丈夫か・・音を聴くとなんとも古式ゆかしい籠った音が出てきた。こんなもんかと思ったが、ゴールデンウィークに本気で聴いてみようと思い立ち、どうせなら懇意のショップに売れずに居るモニターレッド版と比較してみることにした。
 当然、環境も接続システムも違うのだから、厳密なことは分からない。しかし長年の試聴経験でスピーカーの個性は感じ取れよう。まずは、対決する両者を紹介する。
 [赤コーナー]モニターレッド+英国製箱(CDP〜デノン、プリ〜エアータイト、パワー〜マックトン、周囲を他のスピーカーで囲まれ、極端に広いスパンで置かれた状態。)
 [青コーナー]モニターゴールド+オリジナル箱(CDP〜エソテリック、プリ及びパワー〜アキュフェーズ、周囲から離して障害物の無いポジションに置かれた状態。)
 先に聴いたのはゴールド。やはりモコモコの低音で高域も伸びずレンジが狭い。背面に5段階のアッテネーターがあるので、低域最小、高域最大にしてみると量的バランスが取れた気がする。オーケストラを聴きながら、アンプが温まった頃合いで持参した試聴CDを掛ける。スパニッシュギターを中心としたアンサンブルで、お気に入りディスクだ。
 バックロードホーンからの余韻の長い響きが低音に加味されている。独特の陶酔を感じる孤高の質感だ。高域は甘くはないが明らかにナロウレンジで、スーパーツィーターが欲しくなる。試しに高音質ボーカル盤を掛けてみると、今風の欠点が露出せず魅惑的な響きが色気を醸して素晴らしい。
 店を変えてレッドを聴く。同じオートグラフとは思えないほど違う音だ。大変スッキリとした質感で、セピア調の音色があれど低音は締まっている。同じ音道のバックロードホーンとは思えない。高域は伸びが良く、ナローな印象は無い。アップテンポのジャズを掛けても、ベースやシンバルがキレを持って刻んでくる。周囲の障害物が多くて定位が悪いため、プリでバランス調整をしてボーカルを聴く。マヤの声が中央で鳥肌を誘う色香を放ってくる。ゾリっとした渋みが美味しくオールマイティに聴けると感じた。
 勝敗はどうでもいいが、好みで言えばレッドの音がいい。FALに慣れた耳にはゴールドはナロウで低音が出すぎだ。それも周囲から離してセットしてである。もし宝くじが当たって退職後に古民家カフェでもオープンするなら、オイラはモニターレッドを置いてみたいねえ。(*´∀`)ゞ

モニターゴールド+オリジナル箱

モニターレッド+英国製箱(GRFではない。)