シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

SACDとの対決 その2

 SACDとCDで音質対決なんて結果は見えている。20年近く前に世代交代を明示して登場した規格であり、マニアに定着しているではないか。昔参加したブラインド試聴会でも圧倒的な差があった。無論、SACDの大勝だ。しかしそれは、あるSACDプレーヤー単体におけるDACの能力差に過ぎない。 
 我が家ではマランツSA−11S2からプリに接続したSACDラインと、SA−11S2をトランスポートとして日本オーディオのDACを使ったCDラインを比較する。本当はハイブリッド盤を使いたくなかったが、シングルレイヤー盤と同じCDが無いので仕方ない。この時点ですでにCDは不利であって、ハイブリッド盤のCD層は質が悪いと言われている。
 2つのラインはゲインが大きく違うので、ボリュームを慎重に合わせる。こんなとき、アキュのC-2420はデジタル表示されるので便利である。
 まずは聴き慣れた明菜で比べる。一聴すると、これが意外なほど差が無い。しかし数曲比べて勝負はあった。なんと、CDの勝ちである!ヽ(^◇^*)/
 これまでの地道な努力が実ったのだ。いや、改良を重ねた日本オーディオのDACSACDに勝ったと言ってもいいだろう。実は初めて明菜のSACDベスト盤のCD層を聴いたのだが、音の輪郭が明瞭でいて刺激は無く、明菜の声がシッカリ聞こえる。これまで聴きとれなかった抑揚表現が分かって鳥肌が立つ。つまり明らかにCDの音で感動したのだ。Dレンジも広く、陰影が深い。比べるとSACDはややノッペリした印象で、ボーカルが浮き出てこない。
 日を変えて、クラシックやジャズでも確認してみた。正直に言うが、クラシックでは分からない。有意差無しだ。(それでもスゴイ)若干SACDの方がシンフォニーのスケールが大きい気もするが、ハッキリしない。ジャズトリオでは明らかにCDの勝利。結局、10枚以上のSACDディスクを試聴することになった。
 総じて、聴感上のSACDは奥に展開するに対してCDは前に展開する。輪郭を強調しないSACDに対してクッキリ明確にするのがCDという傾向が伺える。過去の比較試聴会ではこれが下品にクローズアップしたのではないかと思えた。今回ボーカルの表現力に差があったのは、機器そのものの差だ。いずれにせよ、SACDは不要と言っても過言ではない結果に満足している。
 試しにSA−11S2の内蔵DACでも聴いてみる。こりゃダメだ!輪郭だけはクッキリしてくるが、甲高く乾いた音で妙に明るい。大きな音量に耐えられない質感である。SA−11S2は安いCDPではない。贅沢な耳になったもんである。