シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

 ISOTEK EVO3 SIGMAS

 アイソーテックという見慣れない装置が隣町の試聴機器に繋がれていた。これはすごいよ〜と言うので聴かせてもらうことにした。
 このCDプレーヤーほどもある個体は何かと聞けば、電源装置だと言う。なるほど・・だとしたら小振りなので前段機器用かと思えば、そうではない。オイラは勝手にクリーン電源と思い込んでいたが、実はパッシブフィルターらしい。ならば実に大げさな様相だ。
 接続機器の容量に合わせたコンセントがあり、システムすべての電源を通すことができる。価格を聴けば40万円を超えるというからスゲエ。繰り返すが、ただのフィルターなのだ。この下に27万円ほどの普及器があるが、上を聴いたらとても戻れないと言う。そりゃそうだろう。むしろその差があることは良心的と言える。
 さっそく聴いてみよう。システムはいつものB&W802 Diamondとエソテリックの弩級システム。太田裕美SACDで比較すると???である。
 明らかにEVO3 SIGMAS を通さない方が良いのだ。EVO3 SIGMASを通すと細かな音までクッキリ浮かび上がってくるが、ボーカルが大きくなって奥行き感が希薄に感じられる。どうしたことか・・
 試聴ディスクを変えてみよう。手嶌葵のBSCD2で比較すると、音の厚みがグっと増してSN感がとても高く濃密な印象。もう一度、太田裕美に戻してみるがやはり感心しない。どうも納得できないので、翌日CDを持参してもう一度比較してみる。
 持参したのはちあきなおみのCD。太田裕美ではレンジが狭いと考えたからで、あくまでも懐メロで試聴する。結果は太田裕美と同様、音像が肥大して奥行が浅くなる。その代わり、音がパワフルに前に出てくる感じだ。これは単にノイズを取っているだけではないと見た。音の出方が変わってしまうのである。
 手嶌葵の場合、メリットが表に出たようで録音の仕方で向き不向きがありそうだ。それでも音像が大きくなる印象は共通している。乱暴な例えをするなら、ズームレンズで拡大した画のようで、グッと前に引き寄せて遠くのぼやけた遠景もハッキリ見えるけど、圧縮効果で遠近感が変わって見える感じだ。今回、全ての機器の電源を差し替えたのでやりすぎたのかもしれない。
 あえて使わなかったジャズやクラシックのソフトだとどうなるのか、だいたい想像がつく。この出方がハマる人には手放せなくなる機器だろう。オイラとは趣向が違うようだ。