シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

DENON DCD-SX

 デノンの旧フラッグシップCDPであるDCD-SXの中古品が出た。
 最晩年の13年製造で外観は極上品。しかし現在、後継機と標榜されるDCD-SX1がかなりのPRで評価されているため、驚くほど安価である。
 オイラは、デノンというメーカーはデンオンの時代から興味が無かった。その理由はゼネラル機器を主戦力とする、コンシューマーな匂いに魅力を感じないからで、その音質云々は見聞したことも無い。ただ、そのデザインはいつの時代もダサいと感じている。
 そんな対象であったデノンも、贅を尽くした最上位機種(価格を見れば実質的な後継機はない。)となれば聴いてみたくなる。ということで、購入検討として試聴させてもらった。
 比較相手はエソテリックのK-03XとG-02Xのコンビ。結果、この100万越えの現行機相手に遜色ないパフォーマンスを魅せてくれた。
 大変中域が充実していて、ボーカルがクッキリと浮かぶ。それでいて柔らかい肌触りと濃厚な色彩感が心地よい。対してエソテリックの方は低域が異様に豊かで、オイラの好むバランスではない。純粋に音だけで選ぶならデノンだ。これが格安中古品とは驚異的CPである。
 周囲はデノンらしい音だと言う。なるほど、こういう傾向なのか。水彩画のマランツに対し、油絵のデノンと言う人の感覚も理解できる。今、ハマっている懐メロや歌謡曲を大変魅力的に再生してくれそうだ。交渉中にしてもらい、しばらく購入を思案してみた。これが楽しいのだ。
 かなり悩んだ。現用のマランツSA-11S2+G—03Xを下取りすれば、気の利いたアクセサリーレベルで買えてしまう。しかし、ここは思いとどまった。理由は以下の通りだ。
・薄口のマランツを濃い味に調整してきた努力が無駄になる。
・DACが改良中で、CDPを変えるタイミングではない。
・DCD-SXの内蔵クロックよりG—03Xの方が5倍精度が高い。
・26キロもあるCDPは重すぎて扱いにくい。
・30万円も安くなったDCD-SX1の方が音が良いという、節操のないPRが気に喰わない。
 ワードシンク端子のあるCDPがほとんど消えた現在、買い替えは実に難しくなった。