シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ローサーPM6A

 ローサーのPM6Aは、おそらく現行生産されている中で最も古いユニットである。
 1930年代に企画され、1950年来より継続生産されているらしく、ダブルコーンに強力マグネットのバックロードホーン専用ユニットだ。フォステクスのシグマシリーズも以前はこんな風体だったのを思い出す。このフルレンジユニット、18万円もするのだ。まあ、それでもFALのC90ユニットよりは安いが。
 このPM6Aの音をいつか聴いてみたいと思っていた。それが、懇意のショップでユートピア製エンクロージャーに収まった出物があったので拝聴してみることにした。
 FAMILY KING JR-20という商品名で、さほど大きくないビンテージ風な仕上がりの一品だ。独自のホーンロードを背圧に掛けているが、純粋なバックロードホーンではない。実は、ユニットをメンテナンスに出していたとき箱の構造を覗いてみたことがあり、これはスリットダクトを広くとったバスレフ・ホーン方式である。ミュージックバードで、ジャズボーカルとバロックを聴いてみた。
 こりゃまた、なんちゅうアッケラカンと抜けた音だろうか。隣に置いたタンノイのインパルスが根暗に聴こえるほど音圧は高く、明るく、ハイ上がりだ。とてもボリュームを上げるのは無理で、バランスを取るにはイコライザーが必須だろう。何故なら、箱の構造とその風合いからしてセッティングで低音を出そうと考えるのはお門違いと思うからだ。
 それでも試聴したジャンルとはマッチしていたので、昔の枯れたジャズボーカルや小編成の演奏を聴くなら、アンプ次第では面白そうだ。