シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

マグネシウム・インシュレーター

 借りてきたマグネシウム・インシュレーターは酸化して白くなっている。赤錆びた鉄と異なり、粉が葺いた干し芋のようでその趣も味がある。
 実に軽く、雄雌スパイク方式でこの価格は安い。包装や塗装も省いた実質主義のメーカー思想がよく出ている。J2のTITE-26Rを変えてさっそく使ってみよう。本当はCDPに使う方が分かりやすそうだが、そっちはオーディオリプラス+fo.Qシートのダイレクトセッティングを外せない。
 パワーアンプを実験台にした割りに変化は大きい。実に細かな楽器の表情が伺える。タッチした瞬間の僅かな演奏ノイズまで分離よく聴けるのだ。また、音が軽やかになるのは分かっていたが、音色に深みがあるのに感心した。以前、マグネシウム・スペンサーを借りたときには無かった印象だ。
 これはいい。買うつもりでショップに借用品を返しに行くと、タイミング悪く商品の在庫を切らしていた。慌てることもないので、帰宅してTITE-26Rに戻してみると実にダイナミックで音に芯があるじゃないか。解像度は後退したが、楽しさが戻ったかのようだ。これがこの趣味の怖さで、新しいモノの期待感や先入観が、試聴において良い部分だけを聴いてしまうのである。今回、マグネシウムの音を体感したので、鋳鉄の音が再認識できたというわけか。
 現行商品のマグネシウム・インシュレーターは逃げやしない。しばらくはTAOCのガッツのある音を楽しむとしよう。