シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ヤドランカ

 ボスニア出身のフォークソング歌手で画家でもあるアーティストだ。
彼女は1984年のサラエボ・オリンピックで主題歌を自作自演して有名になった。その頃のオイラはオーディオが趣味というレベルじゃなかったが、音楽には注目した。この10年後、リレハンメル・オリンピックのときはシセル・シェルシブーが脚光を浴びた。ゆえに、シセルのCDは結構持っている。
 ヤドランカは日本贔屓のようで、仕事で来日した後に祖国の内戦で帰れなくなったため、そのまま日本で活動している。彼女の作品は90年代に入ってから注目された。雑誌で紹介されることも多くなったが、あまりにも非メジャーであるため店頭にディスクが置かれたのを見たことがなかった。オイラは中々取り寄せ注文をしないので、彼女は気になる歌手であっても忘れ去った歌手の一人となっていたのである。
 先日、中古ショップで偶然目に入ったのがこのヤドランカのディスク。それも3枚もある。さっそく購入、特に左下の「サラエボのバラード」は当時欲しいと思っていたディスクだ。
 曲調はヨーロッパの耳慣れたメロディより、中近東の風情が強い。ビョ〜ン・・カシャン!と鳴った楽器の音が苦手な人も多いに違いない。オイラは嫌いではない。
 この人の声は実に伸びやかで、気持ちがよい。日本語の歌唱に至っても上手い発音で、アグネス・チャンやグラシュラ・スサーナより普通に聞こえる。そしてまた、録音が面白い。曲調に似つかわしくないほどインパクトのある打楽器がリアルで、多国籍情緒に富んだ雰囲気が味わえる。料理のように、聴くほどに癖になりそうだ。