シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

メカニック

 2011年のジェイソン・ステイサム主演による殺し屋映画。これを見終わった後にウィキを覗いてやっと気がついた。これは大昔の、チャールズ・ブロンソンとジャン=マイケル・ビンセントが共演した「メカニック」のリメイクなんだ。この2人は子供の頃の私的ヒーロー、しかし映画の内容は記憶にない。
 それではステイサムによる本作はどうか。これがなかなかヨロシイのである。作品自体が実にクールでハードなのが良い。スタイリッシュにせず、痛々しいリアルを狙っている。短的に例えれば、これは仕事人ではなく、仕置人でもない。仕掛人の世界だ。
 凄腕の殺し屋が依頼を受けた内容が、自分の信頼する仲間の始末。裏切り者という情報が入ったからである。クールに始末したが、成り行きでその息子を殺し屋の弟子にするようになって・・というありがちなプロットだ。このやさぐれた息子を演じるベン・フォスターという男優が良い味を出している。
 派手な殺しはプロではないが信条の主人公も、弟子のミスからクライマックスはド派手なアクションになだれ込む。そんなアクションもほどんど役者が演じているので、寄りの映像に説得力がある。そして弟子に自分が親の仇とバレた後の展開がまたクールでいいのである。小物の伏線を生かして証拠を残さぬ殺し屋らしい結末、ラストシーンに70年代のハードボイルドアクションの匂いを感じる作品だ。