シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

必殺仕事人 2013

 一年ぶりの仕事人である。前回、高橋英樹が生涯初の悪役を演じて評判をさらったが、今回は二匹目のドジョウを狙って里見浩太朗を悪役に仕立てた。来年は松方弘樹あたりであろうか。
 で、肝心の中身はどうかというと、必殺2012の予定調和路線から趣を変えてハード路線で勝負に出ている。実にそれは喜ばしいことだ。これまでもバカ親とバカ息子の葛藤と悲劇を題材とした作品は、世相を反映して重い良作となっている。必殺2009の名作「鬼の末路」が良い例である。しかし今回は今一歩まとまっていない感がある。さすがに里見浩太朗は、悲哀溢れる演技と持ち前のオーラを放って場面を引き締めてくれた。しかしそれでもタガが緩む多勢の下手くそな演技と、工夫のカケラも無いカメラワークに失望だ。光と影の芸術はどこへ行ってしまったのか。また演劇調の風情がハード路線と相入れず、分かりやすいメリットよりも稚拙な演出に見えてしまう。
 中村獅堂の流しの仕事人も善悪に揺れる存在で何をしたいのか分からない。また冒頭の女形は、笑いを取りたいのかと勘ぐる悪趣味である。彼に絡む和久井映見は、今回の話ならもっと色気を魅せないとだめだ。太もも位見せろ(`_´)
 中途半端な部分が多すぎて、その積み重なりの結果がラストの展開を唐突であっけない印象に終わらせてしまった。主軸の親子が良い味を出しているのにもったいない限りだ。
 必殺シリーズはそもそも、2時間という長尺を与えないほうが良い作品ができるんじゃないか思う。