シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

星を継ぐもの〜完結

 昨年の夏、J.P.ホーガン原作、星野之宣氏作画の表題漫画について紹介したが、ついにあれから単行本4巻をもって完結した。
 同じようなテーマで、人類の起源といった大風呂敷を広げてコケたプロメテウスと異なり、実に壮大でユニークな発想をもって物語を締めくくった。ある意味、プロメテウスと似たところもあると言っていいものか・・漫画という形を取れど、こちらの方が大人向きと言えなくもない。ラストが妙にこじんまりとしてしまったのが残念である。ページ制限による弊害かもしれない。
 4巻を通して、壮大な事実が明らかになるにつれ、身近に隠れた巨大なる陰謀と敵が表面化し、エンターティメント色が強くなっていくが、ハードSF色を覆すほどでもないのが好ましかった。巨大な武力を誇る敵を翻弄させる戦争のあり方が実にSF的で、これはスタートレックの「叛乱」を思い出させる。ただジグソーのピースをばら撒いたお膳が広すぎた気もする。説明調の場面が半分以上を占めているのではないか?
 同じホーガン原作の「未来の二つの顔」を2巻完結で描ききった作品は、狭い世界観ながら活き活きとしたアクションの広がりを感じたものだった。
 星野氏には、今後もさらに面白いSF新作を期待したい。