2010年の夏公開の、大変話題になった映画。
普通、映画の題名で検索するとウィキあたりが冒頭にヒットするものだが、この映画はほとんど解説サイトにヒットする。そんな状況からもこの映画の性質が解るところだ。オイラも劇場、DVD,ネット動画、TV等で4〜5回観たと思う。それでも飽きずに面白くのめり込める、難解型リピーター増殖映画である。
本作で渡辺謙は、監督からジェームス・ボンドのように振舞ってほしいと要望されたそうだ。たしかに和製ボンドに相応しいオーラがあっていい。彼にはぜひ、三代目ゴルゴ13を演じてもらいたい。
主演のデカプリンはあまり好きな役者ではないが、本作では実に抑えた演技が好ましく、内面の葛藤を魅せている。中年になって貫禄が出てきたようだ。
さて、この難解な夢の階層を舞台としたプロットはルールを覚えるだけでも大変で、オイラのようなナンチャッテ鑑賞者には、「深いね〜マニアックだのう・・」で、良しとする。未だに、なぜ他人の夢に自分の潜在意識が投影されてジャマが入るのか分からない。
しかしこの手の映画は大好きで、似た部類としてデンゼル・ワシントンの「デジャブ」が思い浮かぶ。こちらはパラレルワールドの階層だ。
地上波で数日前にインセプションが放映された。すると、左上に夢の何階層か表示が出ていて笑ってしまった。親切な事である。どうせなら、前半のルール説明シーンは、すべて解説を入れてしまえば良かったんじゃないか。