シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

バトルシップ

 バトルシップを観てきた。
 情報過多の時代ゆえに、まったく先入観なしに観ることはできない。この映画、昨年の「ロサンゼルス決戦」海上版で、犬猿の仲の2人が戦いを通じて友情が生まれる、ハリウッド黄金パターンで展開するんだろうと思っていた。予想は7割当たっていた。しかし失望はしない。それで十分楽しい予定調和作品なのだ。
 冒頭から登場人物の紹介が長い。エイリアンとの戦いまでに30分は費やしている。嫌気が差してくる限界で、バトル展開。寸止め開放である。あとは怒涛の射精しっぱなしだ。いや、下品で失礼。
 浅野忠信はマイティー・ソーで失望させられたが、今回は違う。韓国が嫉妬したほどの日米タッグだ。自衛隊員をこれほどアピールした外国映画もあるまい。
 予想を裏切らない展開にこんなもんかな・・と思いつつ、弱いエイリアンに突っ込みを入れて観ていた。武器が米軍とさほど違わないし、宇宙船も古臭い飛行機みたいだ。エネルギー砲も持っていないし・・3隻の宇宙船が駆逐艦ミサイルでやられたぞ!呆れてきたとこでクライマックスに入り、やっと気がついた。そうだったのか!!
 分かったとたんにもうクライマックスは大応援。のめりこんで大団円まで歓喜の涙だ。この作品には揺ぎ無いテーマがあったのだ。
 それは、全篇通してアナログ讃歌、アンチデジタルの気概がぶっ込まれたオヤジの意地である。
 敵のなんとも機械的な武器といい、レーダーが使えない、無線も使えないという戦いといい、果ては第二次大戦の遺物でもって主砲で巨大母船をドカンドカンと、いや〜やってくれるぜ拍手喝采だ。それをデジタル最先端のCGで魅せるのだから愉快極まる。
 パソコン、ケータイ世代の共感は得られる必要なし。そんな潔い筋が通った極上エンターティメントだ。
 そういえば、日本にもバトルシップと名のついた恥ずかしい映画があった。
ヤマトの実写化とは、こうあるべき手本である。

実にアナログチックではないか。