シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

バッハのヴァイオリン協奏曲

バッハのヴァイオリン協奏曲が好きで、同じ曲を演奏者を変えていくつかのCDを持っている。数えてみたら7枚あった。それぞれ面白い個性があるので簡単に紹介したい。
ちなみにここで比較したのは便宜的に「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調BWV.1043」であるが、他の代表曲のイ短調BVM.1041,ホ短調BWV.1042,ハ短調BWV1060も同じ傾向と思って差し支えない。
 下段一番左側が、ムターとアッカルドが組んだもの。演奏が大変遅く、ムターのソロも不安定な音色で聴いていられない。音質も硬い。
 下段左から2番目が、イ・ムジチ合奏団によるもの。これは聴きやすい音で、合奏団らしくソリストにクローズアップするようなことはない。奥行き感がもう一つだ。
 下段左から3番目が、五嶋みどりとズカーマンによるもの。これはもう20年近く試聴用に使っている。演奏、録音共にすばらしい。みどりのヴァイオリンは音色が細身なので音圧を上げてもうるさくならない。
 下段一番右側が奏者無名の直輸入盤、格安ワゴンCDだ。これがキッカケでオイラをワゴンのゴミCD漁りに走らせた驚愕高音質CDである。奥行き感がすごい。演奏も癖が無い。
 上段一番左側がヒラリー・ハーンによるもの。最近買ったSHM-CDで、再販売に際してルビジウム・クロックを使用している。大変抜けが良い音であるが、ソリストにクローズアップした変な録音で、高域が大変うるさい。演奏は非常に早く、ムターの盤と比較すれば、レコードの回転数を間違えたかのような錯覚に陥る。
 上段中央はギドン・クレーメルによる多重録音だ。つまり、2つのヴァイオリンパートを一人で演奏して重ねている。生ではありえないしろもの。ところが、これが大変自然で響きの良い演奏と音質である。音が硬めなのは30年近く前の録音だからしかたがない。
 上段右側が諏訪内晶子によるもの。キレイな録音だが、平面的でソリストにクローズアップしている。彼女の演奏はバッハに限らず、変な個性は感じないが面白みもない。ジャケットの写真はすばらしい美貌であるが、性格は面白くないのかもしれない。