シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ビバルディ 四季

 四季は通称で、「和声と創意への試み 作品8」の中の協奏曲1番から4番までを言う。本当はまだ5番から12番まである大作なのだが、耳にしたことのある人は少ないだろう。実は隠れたお気に入りなのだが、ここでは1〜4番が収録された9枚のディスクを紹介する。画像の上段、中段、下段の順に、そして左から右に紹介。
 ジュリアーノ・カルミニョーラがソロの作品。
これは、今まで聴いた四季の中で最も過激で超高速演奏だ。音質も良く、面白さバツグンである。こんなエキサイティングなバロックは無い。ロックを超えている。
 ナージャがソロの作品。
女バイオリニストで最も過激な彼女でも、カルミニョーラには足元にも及ばない。演奏は勢いがあって良い。かなり低域寄りの音域バランスで、それもあって彼女のバイオリンが際立って聴こえる。
 ムローバがソロの作品。指揮はアバド
実に流れるようにスムーズな演奏が美しい。奥行きが深く、透明度は今ひとつだが、よく試聴用に使っている。
 イ・ムジチ合奏団による演奏。ソロはアゴスティーニ
響きが暖かく、チェンバロの代わりにオルガンを用いているので、独特な印象を持つ。ソロの演奏は切れがいい。録音も自然だ。
 イタリア合奏団による演奏。
演奏は奇をてらった感じがなく、コンタリーニ宮殿の石造りの響きが美しい。ワンポイントマイクに補助マイクをプラスして細かな音も自然に拾っている。万人が喜ぶディスクだと思う。
 ナイジェル・ケネディがソロの作品。
響きが人工的、演奏もガタガタと品がない。彼はパフォーマンスで魅せるアーティストなので、期待する音と演奏ではない。
 ムターがソロ、となれば指揮はカラヤンによる演奏。
マルチマイクで音を拾ったような不自然な音場感。クラシックらしくない。ムターのバイオリンがせり出して来て、ビックバンド・ジャズのようだ。
 クリストファー・ホグウッドが指揮する古楽器の演奏。
 古楽器の演奏は厚みが出ないので、チープなシステムでは全く面白みの無いものになってしまう。このディスクを最初に聴いた頃は実につまらなかった。10数年ぶりに音を聴いてみたが、実にパワフルで細身な印象がない。古楽器演奏を再生するのは年季が要るようだ。
 ハンブルグ室内合奏団による作品。何かのオマケで貰った非売品だ。
これはオフマイク一発録りと思われる。奥行きが深いが細身な音で、ダイソーCDのようだ。解像度の悪い機器では演奏がベッタリ溶け込んでしまう。演奏ものんびりムードで眠くなってくる。