シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

マグネットで対策 その4(TAD)

 マグネットを使った対策を再びやってみよう。

 その3での結論は、メインシステムでは相性悪く痩せてしまうが、サブシステムには明らかな向上が感じられた。あれからSACDプレーヤーがX-03SEになり、その鮮烈な音質からTADモニターまでのラインを音を聴くためのシステムとした。マグネット対策による傾向はこの目的にピッタリである。相性も、その2でパワーアンプに刺さるエレクトラリファレンスに使って大正解であった。ここは一丁、やり過ぎてみようか。

 まず、メインシステムのSPケーブルに嵌めていた福田屋対策のリングマグネットを外し、サブシステムに使ってみる。ここはシックスエレメントで対策済みである(2024-2-10  シックスエレメントの追加 参照)が、問題ないだろう.。むしろ、今までアモルメットコア2つに加えてリングマグネットを付けていたメインはやり過ぎだった。

 これは中高域がとても静かだ。元々TADモニターは中高域が迫り出すスピーカーではないので、大人しくなりすぎか・・ただ、試しに質が悪いと思うCDを聴くと、俄然聴きやすくて悪い録音ではないと分かる。これは不要なノイズが減少した結果かもしれない。それで、大人し過ぎると感じたCDを再度掛け、ボリュームを上げると一気に生き返ったではないか。

 オイラはディスクによって、試聴ボリュームを飽和寸前の位置で記録しているので、それを超えると音が崩れる。それがリングマグネットの装着でボリュームをさらに上げることが可能となった。試聴音量が変わると、知らなかった世界が開けてとても新鮮に感じられる。素晴らしい。まだやり過ぎていないぞ。   ~つづく~

ステンレスピンチはシックスエレメントのずり落ち防止の他に、振動抑制の意味がある。低音の締まりが変わるのだ。

ザ・ロストシティ

 2022年公開のA級ロマンスコメディ作品。

 サンドラ・ブロックとチャニング・ティタムの2人がダニエル・ラドクリフ演じる富豪の子悪党にせかされて宝探しをする話・・なら、王道路線の冒険活劇になりそうだが中途半端なロマンス物語に終始している。

 まず、これは冒険活劇ではない。そのように仕向けてショボイコメディに仕上がっている。これはオイラが一番嫌いな作風である。しかも主役の2人が嫌いなのでどうしようもない。もちろん、嫌いな役者であってもトム・クルーズのように魅せるものがあればいい。本作は2人のエンタメ・スターがワザとらしい演技でコメディをするのが鼻にツイテならない。ラドクリフの子悪党も、もっと狂ったサイコ野郎の設定にすれば笑えたであろうに。そして、一番半端なのがブラピの扱いだ。

 本来ならブラピが一番格上なのに、こんな脇を演じるのは理解できない。チョイと顔出しなら友情出演として理解できる。それが序盤で粋な動きを魅せて、チャニング・ティタムのマヌケさを引き立てる役を観客が悩むほど演じている。しかもエンディング後のオマケシーンにも登場して・・意味が分からない。

 笑えるシーンは一つも無い。派手なアクションも何もない。なのにA級の予算をつぎ込んでいて、批評家の評価が好意的なのがまた訳が分からない。


www.youtube.com

後で思ったのだが、チャニング・ティタムとブラピを入れ替えたら面白かった気がする。

ノードスト MAGUS

 MAGUSを手に取りレジに行くと、店員がニヤついている。「やっぱり手をだしましたね・・」みたいなニュアンスが感じられるじゃないか。

 現用のアクロテック6N-P4020のフルテック仕様を改めて聴くと、やっぱりいい音だ。何も不満を感じられない。変える意味は?と言われると自分でも返答に窮する。趣味人は好奇心が強いのだ。パワーアンプ以外は2芯の電源ケーブルで通してきたが、3芯ケーブルが一つ増えてもアースループによるノイズは発生しないはず。機器内のアースが接続されていても、コンセントの金属パーツでループができても、アースラインノイズフィルターが防波堤となる。比較試聴のソフトはあえて紹介しないが、X-03SEと相性の良いサブシステムを使うため耳タコCDは使わない。では・・

 おっほ~ (;゚ω゚) 電源ケーブルでこんなに変わったのは初めてだ。メリハリが際立って一切曖昧なところが無い。エッジが効いて音像がクッキリ立つのだ。それも尋常ではない強固な音像である。これはキレやスピード感に魅力のあるCDで特に感じる。フワっとした音場に包まれる曲ではダメだ。スピードを重視するメーカーだけに、魅力をもたらす曲も分かり易い。

 まったく引きずらない打音に圧倒される。決して量感は無いのだが、痩せたり硬質になったりしていない。加味された響きや色気のようなものは無い。それだからか、余計なものが無い分SNが高い気がする。とてもスッキリ聴こえるのだ。大音量にすると大変バランスが良いストレートな音に感心した。この音を体験してしまうと、不満の無かった前のケーブルには聴きやすいトロミを纏っていたのがよく分かる。不思議なのは、これだけカチっとした音でも聴き疲れしないこと。もしかしてカマボコ特性なのではないか?電源ケーブルで考えにくいことだが、それなら大音量で小型スピーカーが歪まないのも分かる。

 このケーブルはまさにX-03SEのパフォーマンスにピッタリだ。オイラの目的に見事に合致する。今回は勘が冴えたなあ・・大当たりだ。

 

ノードスト

 バブルボーイを返品した後日、店にはユニットを外したバブルボーイがひっそり置かれていた。やはりUP-103は凄いユニットだった。不思議に思った陶器への固定方法は、ゴムを介して鬼目ナットが付けられていた。惜しかったなあ・・

 ついでに店内をふらつくと、中古品コーナー入口に珍しい電源ケーブルがあった。硬質な細身の螺旋状で、艶のある鮮やかなブルーの被覆が美しい。普及品のインレットにプラグはワッターゲイトの造りから、これは古いものだろう。NORDOSTと印字が有る。これが噂のノードストか・・ハイエンドメーカーだと思っていたけど、やけに安価だ。何だろうか、オイラの直観が「コレを見逃すな!」と言っている。

 ケーブル名はMAGUSらしい。まずは調べてみよう。ノードストは1991年設立で、NASAの技術を用いたケーブルメーカーだと言う。その被覆素材と独自の構造から光の伝搬速度の90%以上を実現しているらしい。MAGUSは一番下のグレードで、芯線は6Nの練り線である。エレクトリが輸入業者であるが、そのラインナップに電源ケーブルは無い。日本のPSE規格に沿わないため、公式に輸入できないのだ。しかし、MAGUSはパスラボ商品のオプションとして2mオンリーで販売できたようである。妙なのは、ネットで様々なサイズが中古市場に出ている点。2001年のPSE規格以前に、市場に出回っていたのだろうか。商品の流通時期が分からないため、謎としか言えない。

 ハイエンドケーブルはフェイクが多い。以前購入した偽カルダスのゴールデンクロスの例もある。(2020-10-25 カルダス ゴールデンクロス そのショック 参照)しかし、MAGUSはノードストの最廉価ケーブルで、当時の国産と比較しても同レベルの商品だ。偽物を作る意味が無いだろう。

 どうやらノードストの音質には突出した定評があるらしい。それはスピード感やキレだ。これを知ってオイラの琴線に触れた理由が分かった。コイツをX-03SEの尻に刺してみたい!今なら返品したバブルボーイの返金がある。結局、オイラは自分の勘を信じたのだった。      ~つづく~

 

陶器のスピーカー バブルボーイ

 車の後部座席でバブルボーイが転がらないように運転し、途中で100均に立ち寄る。このスピーカーの置台を物色するためだ。園芸コーナーに似合いそうな鉢置きがあった。調整用にコルクの鍋敷きも合わせて購入。置き場所を作るため一部器材の配置を変える必要があり、配線変更もあって当日はくたびれてしまった。よって、試聴は翌日にする。

 では規模的に合ったサードシステムで聴いてみよう。まず本体だけの音を確認する。やはり見事な能率の高さだ。いつも繋がっていたサイコロスピーカーとは10dBは違う。あまり音出しをしていなかったのか、元気はあるがガサツで繊細な音が出ない。2時間ほどで馴染んできた。FOSTEXらしく明るい抜けの良さが特徴で、カンスピより高域が煌びやかだ。この音圧の高さは陶器の響きが加わっている気がする。耳に敏感な帯域が猛烈に迫り出してくるのだ。低音は量感は無いが意外と頑張っていて、かなりクリアだ。しかし、いい気なって耳タコのオールウェイズを大き目の音で流したら歪みだした。普通のロックや歌謡曲なら問題ない。中高域が耳にきつくなってきたので、鉢台と本体の間にコルクの鍋敷きを挟んでみる。うん、嘘のように落ち着いた音調になり、この方がずっといい。

 サブウーハーのスイッチを入れてみよう。能率が大きく違うのでどうかと思ったが、意外にも繋がりに違和感が無い。f特バランスが良くなって聴きやすくなる。ただ、低音の量感が増えても締まりが無くなるので、ジャズベースのキレは期待できないな・・あれ?やな予感がしてサブウーハーを切る。大した音量でもないのにジャズベースで片チャンネルがビビっている。どうやらオールウェイズで歪んだのは、音量やローカットの無い録音のせいではないようだ。その後、小音量で耳を当てて確認すると、低音の入っていない音でも歪んでいると判明。まいったなあ・・

とにかく懇意のショップに送り返して修理可能か判断してもらおう。

追申 その日のうちに店から回答があった。修理には膨大な費用が掛かるらしい。ガッカリである。残念だが返品することにした。(可愛かったのに・・)

台座として買った鉢置きと鍋敷きは、本来の用途に移ってもらおう。

陶器のスピーカー

 陶器のスピーカーは昔からあり、ジョーダンワッツのフラゴンが有名だ。日本でも信楽焼のスピーカーなど、ガレージメーカーが芸術性の高い作品を作っている。

 主流になれないのは、大型が作り難く衝撃に弱いという欠点が拭えず、コストも高いのが理由だろう。芸術作品として手作りされることによって、この手の趣味人に愛されるマイナーなカテゴリーだ。オイラはオーディオ趣味人なので、どんな音がするのか以前から興味を持っていた。そして・・つい、衝動買いしてしまったのだ。

 懇意の店の中古コーナーに入ると、昔の銘品が増えているのがすぐわかった。こりゃ相当なマニアが放出したな・・ワクワクして物色していると、一際光る不思議なスピーカーに目が留まった。なんだ?このキュートな物体は!

 商品名はINAX QX-100とある。INAXって、大手サニタリー商品のあのイナックスか?スピーカーを作っていたとは知らなかった。しかし・・なんて愛らしい姿なんだ。店員に頼んでちょっと聴かせてもらう。するとビックリ!BOSEの商用スピーカーから切り替えたのに音がグンと大きくなった。なんて能率だ!こりゃ面白い。当然低音は望めないが、明るく開放的な中高域が魅惑的。オイラは主要機器の選択はいつも石橋を叩いて熟考するのだが、もう欲しくてたまらなくなってしまった。とりあえず商談中にして帰り、一度冷静になって詳細をググることにした。

 すると、これは1980年代のバブル時代に生まれたもので、INAXがシャレで作った物のようだ。その名もバブルボーイ、色が選べたらしいが白がオバQみたいで可愛い。ユニットはどうやらFOSTEXOEMらしい。UP-103のようだ。オイラはこのユニットを知らなかった。自作スピーカーに嵌っていたのは1990年代で、その頃はもうカタログにUPシリーズは無かったのだ。このユニット、大型マグネットにフレームがアルミダイキャストと豪華である。しかしウレタンエッジだったため、今ではボロボロに加水分解している。店にあったものは、黒いラバーエッジのようだったので張り替えたのだろう。

 価格は当時の定価の半額だ。30数年前のスピーカーが半額とは実に高い。明らかに希少性のプレミアが付いている。さあ、どうしようか。と言いながら、もうどこに置こうか思案している。翌日、大事にダッコして持ち帰った。   ~つづく~

この時は、予想外の事が起きるとは思いもよらなかった。

SISU シス 不死身の男

 2023年公開のフィンランド製B級ミリタリーアクション作品。当然、俳優もスタッフもまったく知らない。主人公の爺の容姿が凄いインパクトで、90分以内に観られるからチョイ観たくなった。

 これは久しぶりにアタリだ。これぞB級テイストの極み、第二次世界大戦末期のフィンランドを舞台にローカルな視点で繰り広げられる痛快バイオレンス。始めオイラは、その荒涼としたマッドマックスのような風情に、マジなリアリティ作品かと思った。しかし、あまりにも新鮮な戦いぶりにコメディの要素が観られ、血生臭い描写がスパイスの類になってきた。これは上手い演出だ。

 ナチスの兵隊が英語をしゃべっているのに違和感もあったが、コメディ要素が大きくなるにつれてツッコミ所ではないと分かった。何をしても死なない主人公にナチスがビビっていく様子が分かり易いと思う。

 とにかく絶体絶命な場面を、考えたことも無い斬新なアイディアで乗り越えていく爺の姿が凄い。そんなのアリか?とポップコーンが喉をつかえそうである。開いた傷口を処置するシーンは、もうランボーが目を丸くするに違いない。クライマックスになると完全にイケイケのコメディで、もはやアメコミのヒーロー像に笑えてくる。

 主役は劇中ずっと無言である。こうした演出は珍しくは無いが、本作の主人公には寡黙な不死身の男が絵になっている。最後に一言、銀行でボソっと喋るのがまたいい。


www.youtube.com