シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

DALI・メヌエット

 ダリはデンマークのスピーカー専業メーカーで、設立から40年の歴史を持つ。中でも、コンパクト2ウェイのメヌエットは30年に渡って引き継がれてきた。それは、よくあるシリーズの最下位機種という位置付けではなく、30年間で単独4回に渡る意匠替えをしてきた由緒ある存在だ。

 ダリは20年位前にHELICONシリーズの試聴会で初めてその音を聴き、ジックリ考えながら音を出してくる印象を持った。音抜けやスピード感を重視した趣向に合わないと、対象外に決めつけた存在であった。最近、この最小コンパクトのメヌエットシリーズを聴いて感心したのでレビューしよう。

 現行機種のDALI MENUETと、そのスペシャル仕様のSE盤を比較試聴してみた。驚いたのは、マイクロと言ってもいい大きさに対し、なんとも充実した低音だ。大変バランスが良く、能率もさほど低くない。これなら小出力アンプでも大丈夫だろう。質量同等のアルゴン0より明らかにワイドレンジに聴こえる。質感も大変良い。対して、塗装や端子とコンデンサーを高級品に誂えたSEはどうか。これが結構変わるもので、立ち上がりが良いのか抜け感が向上している。充実した低音はさらに引きずらないキレがあって、明らかに見た目の豪華さだけではないと感心した。

 この2つは隣町のショップで聞いたのだが、価格を見るとオワコンかと疑うほどの割引率である。事情を聞くと、昨今の異常な値上げで売れなくなるので旧価格据え置きで販売しているらしい。よって、現行の定価からすれば大変な値引きなのだ。こりゃお買い得である。

 対して、懇意の店にはダリのMENTOR MENUET SEの極上中古品がある。現行メヌエットの一つ前の30周年特別仕様だ。同じ環境ではないので音の比較はできないが、感覚的にスッキリとした印象を覚える。もちろん当時の定価は今とは大違いだし、その中古扱いだから大変CPが高いと言えよう。

 いくら安価にしたと言っても、この個体サイズを思えば誰もが二の足を踏む価格だ。逆に豪華で邪魔にならないプレゼントに良い気もする。