オーディオは摩訶不思議な趣味である。ある方法は黒と断定する人がいれば、逆に白と言う人もいる。それは基礎的な使いこなしにおいても例外ではなく、あれはやってはダメと教科書的に定説化している方法ですら、真逆を勧める御仁がいたりする。昔は情報を得る方法が限られていたので、そうそう悩ませるマイナー発言は耳にしなかった。それが湯水のようにあらゆる情報が手に入る現在、初心者は訳が分からんとお手上げになるのも無理はない。さらに科学的、物理的に解説して実証したとしても、平気で「そんなことないよ～」と言ってのけるのがこの趣味だ。いったい何を信用すればいいのか。
自分の耳を信用するしかない・・と言いたいが、実はそれも信用できない。そこで、オイラはグローバルな動向が白としているものは白だろうと判断することにした。だから少数（個人）が黒と言っても信用しない。例えば、故・江川三郎氏がケーブルを変えると音が変わると言い出したときは信用しない。しかし、その考えが世界的に認知されて商品化されている今は信用するというスタンスだ。何故なら、ある現象が白という前提に世界的な産業が右に倣っているなら、それを否定するのは非現実的だからだ。
頭の固い人が白を黒と言ってもそれは初めてではなく、とっくの昔の話題を蒸し返している場合もある。ただ、ボリュームが１デジベル違っても、頭の位置が1㎝ズレても聴こえる音が変わるのは間違いない事実。その程度の違いを得るために、6桁7桁の金を使うのは異常だ。そんな常識を忘れずに続けるのが健康的だと思う。
