シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

本の庭

 「本の庭」とは地元の教育公共施設で、子供の遊び場と教育相談の総合施設である。

 ここはもともと地元の図書館だった。それがどんな要望と企画があったのか知らないが、昨年の夏に大きく様変わりした施設だ。オイラはこれが不満である。

 新規オープンしたのを知らず、普通に図書館のつもりで入って愕然としたものだ。すべての本棚が子供の目線に合わせて1メートル位しかない。なんだここは・・と、本を見ると子供本ばかり。普通の本は隔離した別室に移され、その収蔵量は実に少ない。あれほど大量にあった本はどこへいってしまったのだ。しかも、その部屋でも本棚がとても低く、腰をかがめなければ探せない。座る場所も実に少なく、寂れた本屋の風情である。

 20年ほど前、資格を取るためによくこの図書館で勉強をした。真夏や真冬でも快適だし、広くて大きな机があって解放感が魅力だった。冬休みや夏休みに受験生が勉強する中に混じって、中年男が静かに勉強するのもいいものだった。そんな想い出の風情は欠片も感じられない。大変残念である。

 本好きのオヤジが他界したとき、千を超える歴史と政治関連の本を図書館に引き取ってもらった。中には限定版の数万円もするものまであったが、どこへ行ってしまったのだ。

 平日の午後、図書館のイメージが抜けきらず立ち寄ってしまった。あ、そうか・・子供施設になったんだった。見渡すと、広大な子供エリアには誰もいない。当然である。しかし、普通の本が置かれた部屋には狭苦しく大人が本を読んでいるのだ。もう二度と来ることはないだろう。