シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

サンスイ SP−1010

 懇意のショップに懐かしいスピーカーが出物となった。サンスイのSP−1010だ。
 サンスイはバブルが極まった頃、他のメーカーがフルサイズ3ウェイで競争していたのを横目に、小型2ウェイの高級品で差別化を図った。それが前身のSP-100i/SP-100iEXであり、その贅沢な造りと高品位な音質に注目したものだった。SP−1010はその3年後、更にカスタマイズされて登場した孤高の一品である。
 何が孤高なのかって、もう尋常でない造りとマニアックな振動対策、贅沢の極みといえるパーツの塊なのだ。CPに拘る生前の長岡鉄男氏が呆れたほどである。そんなSP−1010が大変良い状態で登場だ。アキュのアンプで、ミュージックバードからジャズとクラシックを聴いてみた。
 ジャズのベースが実にいい質感だ。ただし前に出てくる音ではなく、奥行深く展開するタイプであるため、ジャスやロックの前進する迫力を求めるのなら筋違いだ。
 クラシックにしてみる。ミュージックバードのチャンネルを変えると、マーラーが掛かった。小型には厳しいソフトだが、すばらしい再生だ。金管楽器の咆哮もまったくうるさく無く、かといってヨーロッパ系の柔らかい音ではない。当時の日本製らしく、ズゥゥ〜ン・・といった、高剛性なボディからのハード系な質感である。しかし内部に凄まじいダンプを施すことで静けさがあるのだ。今時、こんな音はお目に掛かれない。バブル時代の化け物である。
実はオイラ、このスピーカーの専用スタンドだけ持っている。TADモニターを購入するとき、店頭で使っていたそのスタンドがピッタリだったので譲ってもらったのだ。う〜ん・・本体も欲しくなってきたわい。


触れられる部分の贅沢な仕様はもとより、見えない内部の呆れるほど手の込んだ造りが魅力。