シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

スペース1999

 スーパードラマTVでスペース1999のHD完全版を放映していた。どうも主演のマーチン・ランドー氏が7月15日に他界されたようである。
 スペース1999はオイラが中学から高校生の頃にTV放映され、SF好きの男子に注目されたものだった。後になって、制作会社がサンダーバード謎の円盤UFOと同じだと知ることになる。なるほどと頷くところである。
 まず、メカデザインである。このメカデザインがすべて秀逸だ。月面基地の構造から宇宙艇イーグルに至り、今見ても十分鑑賞に耐えられる。HD版になって画質が良くなり、さらに映像に魅力が増している。1999年の未来感としては大外れであるが。(未だに月面基地は無い。)
 近未来を舞台としたハードな造りは、エピソード1の内容ともマッチしており、大人の味わいを子供ながらに感じたものであった。
 ところが市場の反応は思わしくなく、エピソード2では変身美女やイケメンを加えて、分かりやすい話にしたのが大失敗である。秀逸なメカデザインと、チープなストーリーがミスマッチで打ち切られるのも無理もない。視聴率を上げるために子供向きにシフトして成功は望めない。
 本作の10年前には米国でスタートレックや宇宙家族ロビンソンが人気を博していた。夢のある土壌からは千変万化の方向性と可能性がある。ゆえに素晴らしい話がいくつもあった。スペース1999はその企画から自らを律したため、夢のある作品は作り得ず、硬い話の枠から逃げることが許されなかった。逃げたためにエピソード2で失敗したと言っていい。