パイオニアがピュアモルトスピーカーを復活させた。10年ぶりである。
ピュアモルトスピーカーとは、ウィスキーの熟成に使ったホワイトオークの樽材をエンクロージャーに使ったスピーカーだ。1998年に登場した頃は、単なる話題作りかと思っていたが、音が良いと評判になって2006年まで作っていたシリーズである。
今になって復活の理由は知らないが、今回かなり高級品としてバーチカルツイン型を2機種出してきた。S-PM50とS-PM30である。しかし購入層を考えれば、ハイレゾ対応だなんて子供だましなセールスはやめた方がいいのに。懇意のショップも隣町のショップも置いてあるので、試聴させてもらう。
重心の低い大人びた音である。大型スピーカーのようなバランスだ。最新型の広帯域ツィーターが効いているのか、高域はかなり繊細だ。この傾向は両機種とも共通で、好みが分かれそうに思う。
ちなみに、2006年にピュアモルトの最後と思われたS-PM300が隣町のショップにずっと置かれていた。この音が実は素晴らしい。カラっと明るく伸び伸びとしていて、小口径ユニットでもベースの音がしっかり出てくる。かなり細長い形状なのに妙なクセを感じない。これこそピュアモルト材の恩恵だろう。今でも欲しいなと思う。
