2015年のドウェイン・ジョンソン主演大作で、巨大地震のディザスタームービーである。
1980〜90年代ならシュワやスタローンが主演していたであろう作品で、それだけロック様は今のアクションスターを代表していると言える。また、カイリー・ミノーグがチョイ役で出演しているが、主題歌を歌っているわけでもない。
1974年のチャールトン・ヘストンが主演した「大地震」は、当時パニック映画が大ブームで何を作ってもヒットした時代だった。本作はこのリメイクかとも感じ取れる内容だ。しかし、この映像は凄い!
昔のミニチュアを屈指した特撮は、もはや幼児か老人しか受け入れられないだろう。CGとはこう使うのだと怒涛のように見せつけてくれる。大地が波を打ち、巨大津波が押し寄せる再現は圧巻だ。しかしCGは恐怖を奮起させないので、安心して手に汗握るフィクションを鑑賞していられる。
しかもこの作品はスペクタクルであってもリアルを追っているわけではなく、あくまでエンターティメント作品として楽しめるのがよい。いわゆる家庭内の確執〜大事件〜家族の結束〜ハッピーエンドの王道路線だ。
オイラは大災害と家族愛の映画を観ると涙が止まらなくなってしまう。だから映画館には行きたくないのだ。クライマックスの娘を見つけてからの流れは、ハッピーに終わると分かっていても涙腺ダダ漏れ状態になってしまう。
DVDの特典にカットされたシーンが収録されているが、残した方がよかったのではないかと思えるものが多い。しかしこの監督はテンポを重視して切っている。その潔さが、有無を言わさぬジェットコースタームービーに仕上げたようだ。