シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

First Watt J2 その2

 さて、このアンプの試聴を再び行うとしよう。得てして大きく印象が変わったりするものなのだ。結論から言えばそのとおりであった。
 電源を入れてまだ固体が冷えている間、やはりそれなりにまともな音がしている。そこはウレシイ誤算だ。30分でホッカイロ、1時間でヒーター、2時間で暖炉となっていく印象は変わらない。しかしその安定した後の音がずいぶん違って聴こえるじゃないか。
 中低音が被ったように不要な厚みを伴っていて、膨らんでいる違和感が大きい。機嫌が悪いのか、これが本来の音なのかさっぱり分からない。それでいて大人しいのは変わらないのでさらにキレが悪く感じる。フライングモールより若干ゲインが低いのもマイナス点だ。これではマッキンの後釜に据えるのは無理である。
 もしかしたら・・現行のプリ設定がこのアンプに合わないのかもしれない。アキュのプリは様々な設定ができるので、試す価値はある。出力も小さいので、プリのゲインスイッチをアップしてみよう。一気にボリュームが上がった。それだけではない。同じ音圧で試聴しても音抜けが激変だ。繊細な高域にキレが加わり、もう大人しいだなんて言わせない。しかしやはり中低域以下が被って聴こえる。
 トーンコントロールを切り離してみよう。今まで低域をブーストしないで満足なバランスが得られたことは無かった。そもそも専用ブースターがあるように、そういうスピーカーなのだ。それが見事に決まったではないか!キレキレのバスタム、ベース、量感は減っているのだが不要な被りだけが無くなったようで、力感と解像度が別物のように現れた。これはどういうことか?このスピーカーを使い出して、電気的補正をしないで満足のいく低域が得られることは無かったのに・・
 おそらく、この高域表現とのバランスが無関係ではあるまい。例えばスーパーツィーターで低音が変わるのは常識だ。このバランスは他のトランジスターアンプでは得られないだろう。高低ばかりに注目したが、実はボーカルの艶かしい存在感が前日の印象と変わらず、大変魅力的である。後半は女性ボーカルのディスクばかりトッカエひっかえしていた。
 これで使い勝手がよければ文句なしだが、比較試聴のためXLR接続しての評価なのが一抹の不安である。導入となればRCA接続で使う予定であり、海外製品はその音質差が無視できないからだ。
 さて電源を切ろうと背面スイッチを切るとき、緊張が走った。どこに触れようが数秒で100%火傷を負う。アキュのA50、マックトンのKT88と発熱の大きいアンプには慣れているが、こいつは最強だ。