シマの遠吠え (新生)

シマの遠吠えが新生しました。 でも内容は変わらず、素人オーディオ感、SFやアクション映画の感想を軽いフレーズで書き込みます。

ハードラッシュ

 ちょいと映画から遠ざかっていたようだ。本作は本年春に公開されたクライムアクション物で、マーク・ウォールバーグケイト・ベッキンセールが出演する。
 作品規模とすれば大作レベルではない。主人公は元運び屋で、足を洗って平凡な生活が板に付いたところ、身内のヘマからしかたなく元の運び屋をすることに・・という、まあよくあるパターンである。そのハラハラ感が身上の作品だけに、アクションも地味目ながら大変リアリティが高い。 近年のハリウッドアクション作品は、善人が主人公では売れないのだろう。本作も小悪党ばかりが渦巻く世界感がすべてであるが、そんな輩にも平凡な家庭があるという描写が面白い。
 ベッキンセールはアクションで有名な女優なのに、本作では夫に従順な良き妻を演じている。天性のS嬢オーラがある人だけに、私的にはもったいない。せめて薬中のチンピラに脅される場面では、服ぐらい破いて魅せて欲しかった。
 気を持たせる場面の連続なれど、結局はハッピーエンドに終わるので安心して見ていられる。しかし、ラストのオチはバレバレであっていただけない。バレているのは良しとしても、このオチそのものは、展開上主人公の目的から外れたアクシデントによるラッキー以外の何物でもない。なのに最後は計画していた怪盗ルパンのように締めくくったのは、場違いな演出に感じる。リアルで通してきただけに、残念だ。